2014年12月9日火曜日

ものづくり小話 その6 やすりの歴史

今回は、やすりについての小話です。

学生達が使用している鉄工やすりや組やすりですが、ものづくりを行う上でなくてはならない道具の一つです。このやすりを用いる作業を「手仕上げ」と言いますが、現在の精密加工を行っている製造業の若年層では、腕の良い手仕上げ技能者の後継者育成が急務と言われています。

言い換えれば、若年層の手仕上げ技能者が少ないということであります。当校でも学生に手仕上げ技能を習得させるために、機械工作実習や総合制作実習において基礎から高度な平面加工ができることを目標として実習を行っています。



この手仕上げで用いるやすりですが、少し歴史を辿ってみました。

最古のやすりとしては、ギリシャ(クレタ島)において紀元前2000年頃に青銅製のやすりがあったようです。
紀元前1300年頃には、エジプトにおいて銅製の鬼目やすり、紀元前700年頃には、同じくエジプトで鉄製のやすりがあったとされています。

日本においては、古墳時代(5世紀後半)にやすりらしき遺物が岡山県で発見されています。また、やすりとしての遺物が確認された物は、奈良時代あたりに作られており、宮城県や奈良県で発掘されています。

かの有名な正倉院には、当時のやすりが保存されているということですので、一度お目にかかりたいものです。

少しは、やすりについての歴史をお伝えすることができましたでしょうか?

このやすりを用いた総合制作実習のテーマとして、伝統技能の復元 魔鏡の製作に挑戦している当校の学生がおります。

今後は、魔鏡について触れていきたいと考えます。

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