またまた、前回の小話の続きです。
日本国内の多くのやすりは、広島県呉市の仁方地区で製造されています。
製造工程では、やすりの硬さを増すために焼入れを行いますが、このときに味噌を塗るそうです。
ゆえに、仁方地区のやすり工場のあたりには、味噌を焼いた香りが漂っているそうです。
いつか見学に行ってみたいものです。
国内のやすりであれば味噌を使えるのは理解できますが、海外製のやすりでは味噌をなかなか使うことができないですね。では、何を使用していたのか知りたくなるのがものづくり魂というものです(笑)。
文献を調べてみますと、国外では加熱したやすりに味噌を用いるのではなく、以下のものを用いているようです。
①牛の角を燃やして砕き、粉末にして1/3の割合で塩を混ぜて加熱したやすりにふりかける。
②焼入れ加熱前にビール酵母の中に浸して海塩と籾殻をまぶす。
③なんと馬糞を塗る。
①は、国内の企業でも一部行われているそうです。
驚くものを熱処理時に用いていることが分かり、ますますやすりに興味が出てきました。
これらの文献調査では、苅山信行先生の「改訂やすり読本(非売品)」等より引用させていただきました。
やすりの歴史もなかなか興味深いものがあります。
次回は、やすりの歴史をたどってみたいと考えます。
お楽しみに。
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