2015年6月25日木曜日

ものづくり小話 その10 スプーンを観察していました。

学生達が、昼食中にスプーンの裏側を眺めていました。


なぜでしょうか・・・。

スプーンの後ろに「18 STAINLESS STEEL」と文字が書いてありますね。「18-8」などと表記されているスプーンもあります。



我々機械屋さんは、この数字を見て金属の材質が分かります。

これは、鋼を主成分として18%のクロム(Cr)と8%のニッケル(Ni)が添加されている合金です。
いわゆる、「ステンレス鋼」です。

ステンレスは、錆びない金属と思っている方もいますが、錆びにくい性質の金属です。
決して錆びないわけではありません。

18-8ステンレスを通常の状態で使用すれば錆びにくいですが、食塩水等に長時間漬けておくと錆びが発生するものもあります。

ステンレスが錆びないように見えるのは、製造過程でステンレスと酸素が結びついて「不動態皮膜」という透明な膜で保護されているのです。ゆえに錆びにくいのですが、この膜が破壊されると錆びてしまうわけですね。

この18-8ステンレスは、日本工業規格の材料記号で表現すると「SUS304」と呼びます。

学生達は、材料記号を学んでいるので話のネタにしていたのですね。

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