2015年8月7日金曜日

ものづくり小話 その13 旋盤加工における「バイト」、「トンボ」、「ヘール」の由来

ご安全に!生産技術科です。

旋盤加工時に学生から受けた質問を解説します。諸説がありますので、あくまでも一説としてご覧ください。

質問①:旋盤で使用される刃物は、なぜ「バイト」と呼ばれるのですか?


→旋盤は、1797年にヘンリー・モーズリー(英)がねじ切り盤を製作し、現在の旋盤の原型になったと言われています。この時、使用していた刃物の材質は、現在のようなハイス・超硬・サーメット等といったものはなく、刃物の材質で試行錯誤していた時代であったようです。そこで、石切り場で使用されている鑿(のみ)が適しているということになり、使用されていたようです。この工具をドイツ語で「beitel」と言い、現在に至っているのでは?という説があります。そのほかにも、英語で「bite(噛む、切り込む)」からきているという説もあります。


質問②:工作物を固定して片側を円筒加工した後に、もう片側を加工するために工作物を反転して固定することを「トンボ」といいますが、昆虫の「蜻蛉」と関係があるのですか?


→蜻蛉は、空中で進行方向を逆向きにすばやく変えることがありますね。この向きを変える蜻蛉の様子と材料の向きを変えることが似ているということで「トンボ」と呼ばれるようになったとの説があります。「トンボ」という言葉は、旋盤用語以外でも印刷業界やクレーン業界、お祭りで担ぐ神輿の担ぎ棒である親棒とりん木をつなぐ横棒も「トンボ」と呼びますね。

昆虫界で考えてみると、「蜻蛉」は「蝶」に並んでよく使われていますね。「蝶」もボルト・ナットやファスナー等で名称が使われています。

質問③:ねじ切りバイトなどで使用されるヘールバイトは、刃先の負荷を調整するために刃先とシャンクの間に逆さU字の構造になっていますが、このヘールの語源は何ですか?


→ヘールバイトを横から見るとU字の逆向きになっているため、丘のような形状ということで「HILL」から「ヘール」という言葉になったという説があります。


初めて機械加工を学ぶと多種多様な言葉がありますね。ひとつひとつ理解をしていきましょう。

今後もドシドシ質問をしてくださいね。

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